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東京に久々の積雪











 一昨年の年明けから武漢を発生源としたコロナウィルスが世界的に蔓延し、とうとう3年目になった現在も新たな変異株であるオミクロン株が猛威を振るっている。その前のデルタ株ほど人体に及ぼす極悪な変異株ではないとはいえ、経済活動や日常生活が大きく制限される政策が儀なくされている。手洗い、アルコール消毒、そしてマスクの効果があると素直に受け入れる日本人の感染者数は欧米に比べれば従来の風邪並み、インフルエンザよりも軽症にすむようで、年末年始の”人流”は活発になり、比例して感染者数も急増したが、半ば慣れっこ、半ば、忍耐の限界で家に籠るような人はだいぶ少なくなっている。講座も2年前はオンラインの必要性が迫られたが、いろいろと面倒なこともあり、私が講師をしているNHK文化センター、NHK学園も教室講座が昨年からは再開されている。写真塾も数回、リモート講評を行ったが出席者がひとりでもあれば教室講座は開校している。生徒さんも1,2%くらいは非常に慎重な方がいて欠席するが概ね皆さんには参加して頂いている。ただ、コロナ禍の影響は小さくなく、25年続けて来た横浜みなとみらいランドマークのNHKカルチャーが3月末で閉校となる。ただ、カルチャースクールの低迷はコロナ禍以前から始まり、現在、主役を担っている70代、80代がメインで次に5,60代の世代で、30代、20代は「好奇心のその先へ」という意識はないようである。昨年まで理事を務めていた(公財)日伊協会で中級、上級クラスは成立しているが、それを継続させるための初級クラスの成立が危うく、このままではその先の中級、上級の存続も危うい。まるで、日本の年金制度にも似た状況なのである。スマホのゲームに夢中になるばかりでは日本も終わりだね。

 話は表題の東京の初雪になるが、私が生まれた1952年2月29日は前日からの大雪だったそうだ。それで当初、私の名前は利幸ではなく利雪が第一候補だった。”利”は祖父、利三郎から頂いたものだが、”雪”の字は寒々しいので”幸”になったそうだ。寒い雪の夜に生まれたので寒さには強くても良さそうだが、父親ゆずりの寒がりである。ただ、雪景色は幼少から大好きで、現在も雪を見れば気持ちが高揚し写真を撮りに出たくなる。今日も前日から雪になる予報を聞いていたので積もるほどに降らないかなと期待をしつつ、NHK学園国立本校の講座へ出向いた。講座が終わり窓を開けると粉雪が舞っている。外へ出ると国立の銀杏並木はすでに薄っすらと雪化粧だ。帰宅する途中も写真を撮りながらもっと積もれと期待した。帰宅してやや遅めのランチを済ませて、”おっとり刀”ならぬ”おっとりカメラ”で近所の祐天寺へ向かった。途中の油面公園では子供たちが雪の中ではしゃぎ回っている。子供と犬は雪が大好きなのだ。その子供の頃からの気持ちを未だに保っている私だ。彼らを撮りながらも明日の路面の凍結は考えず雪景色を楽しんでいた。雪は日ごろ見慣れている街並みを別世界にする。醜いと思っていた部分も雪に覆われると気にならず撮影の邪魔にならない。ただ、雪が解け始めるとがっかりするし、凍結した路面を歩くのは厄介極まりない。明日はできることなら外出を極力控えようかと、思いつつも残雪の風景を撮りに出るだろう。

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